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ティーブレイク

バニラチンキづくり 一日目

vanillabeanspicture最近ハーゲンダッツやフレデリック・カッセルの影響からタヒチアンバニラが気になっていて、バニラビーンズを買ってみました。

 

 

 

比較のためにマダガスカル産とタヒチ産の両方を買って嗅ぎ比べていたのですが、合わせていくつかの文献を見ている間に、チンキにして比較してみてはどうだろう?と思いチンキづくりを試みることにしました。

 

 

 

写真のバニラビーンズはすでにカットしてしまったものですが、まずは見た目が違います。乾燥してほっそりとしたのがマダガスカル産のビーンズで、全体的に太めで短くしっとりしているのがタヒチ産です。

 

 

 

詳細は後日「香りのエッセー」にまとめる予定ですが、タヒチ産バニラ (Vanilla tahitensis)は、マダガスカル産バニラ (Vanilla planifolia)の亜種で、香気成分の構成が異なります。タヒチ産はマダガスカル産に比べてバニラらしい甘さの特徴となる香気成分バニリンの量が少なく、代わりにアニスやフローラル様の甘さを持つアニスアルデヒドやアニスアルコールが多く含まれています。

 

 

 

madagascanvanillapictureマダガスカル産の香りは、チョコレートのような甘さのバニリンとラム酒のようなフルーティさ、そしてフェノール様の薬臭さが混ざったような複雑さを持ち、カスタードなどにバニラビーンズを使うことで生まれる味の深みはこの香気の複雑さに由来していると実感できる香りです。

 

 

 

さほど柔らかくなく、ある程度乾燥もしているので、切りやすく、中の粒も取り出しやすいビーンズでした。

 

 

 

tahitianvanillapicture一方タヒチ産は、チョコレートのようなバニリンの香りに、ヘリオトロピンのようなパウダリーでクリーミーな雰囲気を持つ香りが同程度感じられ、アニスやミモザのようなもったりとした甘さも加わり、それだけでアイスクリームのような華やかで滑らかな香りを感じられました。

 

 

 

こちらのビーンズは水分を多く含んでいて、切ろうとするとブヨブヨと生きている感触がします。さらに中の粒もねっとりとした何かと混ざり合うように存在し、かなり気持ちの悪いテクスチャーでした。

 

 

 

vanillatincture1stpicture良く抽出できるように、さやに切り込みを入れて、中の粒を掻き出します。

 

 

 

写真は漬けてすぐのものですが、茶色い色が出ています。

 

 

 

抽出の終了予定日が5月2日なので、その日までどのような変化があるのか、引き続きリポートをさせていただきます。

満開のスルガダイニオイ

surugadainioi2016picture千代田区の駿河台に咲く香りのある桜「スルガダイニオイ」を観に行きました。

 

 

 

先週に行ったときはまだ一分咲き位でしたが、今日は満開でした。

 

 

 

去年はタイミングが悪く、数輪残る花はあれども香りはせずでしたが、今日はしっかり香り嗅いできましたよ。

 

 

 

靖国通りから本郷通りを登って行き駿河台道灌道にさしかかると、ガラッと空気のテクスチャーが変わります。

 

 

 

ふわっと甘い空気に包まれるのですが、すぐに鼻は慣れてしまいます。

 

 

 

資生堂の元チーフパフューマーだった中村祥二様の著書『調香師の手帖』で「木の下を通るだけで香りが降るように下りてくる。」と紹介されていますね。

 

 

 

ただ、この通りは飲食店が並んでいるため、食べ物の匂いと格闘しながらですが、時折降るように感じられました。午前中など飲食店が活動する前に行くのが良いかもしれません。

 

 

 

surugadainioiup2016picture本郷通り側の横断歩道横に咲くスルガダイニオイはちょうど嗅ぎやすい高さに咲いているので、じっくり嗅ぐにはオススメです。

 

 

 

香りは基本的にふんわりと甘いです。そこに青臭さとはちょっと違う、花の持つグリーンノートが感じられ、手に取って嗅ぐとパウダリーな要素(クマリン)や、少々べったりした甘さ(ベンズアルデヒド)も感じられます。

 

 

 

塩漬けした桜の葉より、やわらかいフローラルノートで、良い香りでした。

 

 

 

梅とは違う香りですが、どこかそこはかとなく日本らしさを感じられるような香りなので、もっといろいろなところで咲いていれば、日本の香りとして定着出来そうなのになぁと思いました。

再びミモザ

mimosa20164picture前回のミモザに満足できず、別の場所に咲くミモザを探していました。

 

 

 

この写真のミモザは葛西臨海公園で撮ったものです。桜の道の真ん中あたりに咲いています。

 

 

 

ちょっとピークを過ぎて遅いかなと思ったのですが、今回は香りを感じることができました。

 

 

 

ヴァイオレットの様なグリーン感とパウダリーな甘さがあり、溶剤抽出で得られるアブソリュートとの同様の香りが確認できます。(ただ、今日嗅いだ限りでは鼻を近づけないと香らないくらいの強さでした)

 

 

 

完全に周囲の桜並木に圧倒されていましたので、来年は桜の咲く前に見に行くことにしましょう。

少なくなったミモザ

mimosa2016picture今まで繰り返し行っていた新宿高島屋さんの裏手にあるミモザが咲く場所。

 

 

 

久しぶりに行ったらミモザの木がだいぶ少なくなっていました。

 

 

 

なんだか違う木に植え替えられた様子。

 

 

 

でもまだ残っていて良かった。

 

 

 

今年は手の届く位置に咲いていたので、手繰り寄せて花に鼻を近づけてみますが、全く香りはしませんでした。(以前はかすかに香りがあったような気がしたのですが)

 

 

 

ギンヨウアカシアではなく、フサアカシアだと思うのですが。

 

 

 

『香りの百科』朝倉書店(1989)によると、香料用のミモザはイランイランに似た強い香りを持っているそうです。

 

 

 

いつかその強い香りのミモザを嗅いでみたいものです。

ハイソン ヌワラエリヤ

nuwaraeliyapicture先日NHKのBSプレミアムで放送されている「世界で一番美しい瞬間」を見てスリランカのセイロンティー「ヌワラエリヤ」に興味を持ち飲んでみました。

 

 

 

とは言いましても、普段飲んでいるメーカーにヌワラエリヤ地区に絞ったセイロンティーがあるわけではなく、検索してみたところ成城石井さんで扱っているHYSON社という初めてのメーカーが見つかりました。

 

 

 

スリランカからダイレクトに輸出しているそうで、ヌワラエリヤの他にもディンブラやキャンディ地区の紅茶も出ています。

 

 

 

缶にはスリランカがセイロンティーとして品質保証をしているライオンのマークが入っており、内蓋も付いていてしっかりしていました。

 

 

 

カップに注いでみると色は薄いアンバーで、香りはアッサムほど甘くありません。

 

 

 

味は非常にあっさりしています。渋みもあまり出ないので飲みやすく、緑茶に似た雰囲気の甘さが感じられました。

 

 

 

雑味といいますか、ざらついた風味もないクリアな口当たりです。

 

 

 

ボディ感のある紅茶は一杯で十分ですが、この紅茶は2~3杯飲める軽やかさがあります。

 

 

 

番組中では「ジャスミンの様なアロマ」といわれていましたが、ジャスミンのような感じは正直あまりわかりませんでした。

 

 

 

他の飲食物でもそうなのですがジャスミンの風味って、ジャスミンティー以外のものはあまりよくわかりません。

 

 

 

どうしてもフレグランスの濃厚なジャスミンやグラース産の輝くように軽やかな香りを思い浮かべてしまうので、フレーバーのジャスミンの表現とは感覚が違うのではないかと思ってしまいます。

 

 

 

しかし、Firmenich社の商標Hedioneで知られるMethyl dihydrojasmonate(メチル ディハイドロジャスモネイト)は茶から発見されている香気成分ですし、ヌワラエリヤの紅茶の香気成分を見ると、確かにアッサムやダージリンより、LinaloolやJasmin lactone、Indoleなどジャスミン系の香気成分が多く、GeraniolやPhenyl ethyl alcohol、β-Iononeといったローズ系の成分が少な目であることがわかります。

 

 

 

ヌワラエリヤよりディンブラの方がジャスミン系の香気成分が多いようなので、次はディンブラを購入してみます。

 

 

 

ただ、ディンブラを使っているという午後の紅茶のストレートティーを飲むとローズ系の後味を感じるのですが、そのあたりの比較もしてみることにしましょう。