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香りのエッセイ

■第二話 香料について

第二話 香料について

 香水の原料ってどんなもの?

 

香水は何から出来ているのでしょうか?表示上ではエタノール、水、香料、色素、紫外線吸収剤などが主な配合成分です。この中の香料が香水の香りの元です。海外表記はPARFUME、FRAGRANCEなどと書かれています。

 

ここに書かれている香料はほとんどが調合香料といわれ、パフューマーによって調香された香りを処方通りに工場で量産したものです。

 

この調合香料は天然香料と合成香料そして調合ベースから構成されます。天然香料は自然界の動植物から抽出された香料で、合成香料は化学反応で合成されたもの。また、天然香料から一部の成分を分留したり、化学反応で取り出したりした単離香料も日本では合成香料に含まれます。調合ベースは天然香料を再現するために調合された香料や、パフューマーの想像力で作られたファンシーベースがあります。これらを組み合わせて香水の香りの元となる調合香料は創られます。

香りは何者かというと実は分子の集まりです。基本的に水素、炭素、酸素の組み合わせでできています。窒素や硫黄を含んでいる物もあります。分子が揮発して鼻の粘膜に届く事により香りと感知します。

 

lavenderpicture天然香料は芳香物質が複雑に組み合わさって構成されています。ラベンダーを例にとると天然香料のラベンダーオイルは単一のラベンダーという香料で存在しますが、その構成物は、Linalool(C10 H18 O)、Linalyl acetate(C12 H20 O2)、Camphor(C10 H16 O)などなど複数の芳香物質がいっしょになってラベンダーという香りを構成しています。天然香料をムエット(匂い紙)につけると時間の経過によって香りが変わるのは、沸点の異なる複数の芳香物質から構成されているからで、沸点の低い分子が先に揮発し鼻に届き、沸点の高い分子はムエットから分子が飛び立つのに時間がかかり、香りが変化しているように感じます。

 

そして、一つ一つの芳香物質は化学的に合成されており、これらを合成香料と呼びます。しかし自然の創造物は偉大で、まだ全ての物質を解明できてはいませんが、主要な成分を組み合わせる事で天然香料に近い香りを再現する事が出来ます。この再現したのが調合ベースと呼ばれるものです。

 

また、合成香料には自然界に存在しない新しく合成されたニューケミカルと呼ばれるものもあります。このニューケミカルを使いこなす事によって、市場に新しいタイプの香りが出回るようになります。名香と呼ばれる物にはこのニューケミカルを上手に使いこなした物が多くあります。

香料の役割は香水だけでなく、化粧品の基材臭のマスキングという役割があります。化粧品は大雑把に水と油と界面活性剤から出来ており、油や界面活性剤には素材そのものに臭いがあったりします。香料を添加せずそのまま製剤化すると、わずかに油臭かったり、刺激臭があったりする事があります。それら不快な臭いを覆い隠してしまうのがマスキングです。

 

日本では一時期、旧表示指定成分を敬遠した無香料ブームがあり、無香料が素晴らしいと思われていた時代がありました。まだ無香料の売り文句で販売されている商品もあります。基材臭といっても耐えられない臭いではないので受け入れられたのでしょう。それに変な香りがついているより基材臭の方が我慢できるのも事実です。

 

私自身学生時代に購入したスタイリング剤が妙に男臭くて、正直この香りをつけて出歩きたくないなと思いました。男性用だからとアメリカンマッチョな香りをつけられても、日本人でアメリカンな香りが似合う人はかなり限られる気がします。しかし無香料の化粧品も油臭さが気になるとストレスに感じます。主張しない香りでマスキングされている化粧品は素晴らしいです。

 

最近は随分と香りのヴァリエーションが増えてきました。同じメーカーのアイテムでも若干の機能違いと香り違いでリリースされています。そして店頭にはテスターが付いて購入前に気軽に香りが確かめられる様になっています。

 

そして肝心の安全性ですが、現在香料については毎年のように更新されるかなり厳しい安全性基準が作られており、その制限の中で香りが作られています。

ところで、香料は香水や化粧品だけに使用されているのではなく、食品分野でも使用されていて日本ではむしろ食品の方が多く使用されています。日本の加工食品の味の良さは香料に支えられていると言っても過言ではありません。食品香料はフレーバーと言い、フレーバーの調香師はフレーバリストと呼ばれ香粧品のパフューマーとは区別されます。

 

香粧品と食品の香料は双方に良く使用される物もあれば、香粧品に使用できて食品には使用できない物、またその逆もあります。香粧品でもフルーツの香りに多くの需要がありますが、同じフルーツの香りでも香粧品と食品では処方が異なります。

次回のエッセーは天然香料についてです。