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香りのエッセイ

■第零話 日本の香り

第零話 日本の香り

 

 

 香りの四季

 

私たちの身の回りには様々な香りや匂い、臭いが存在しています。季節ごとに景色は変わりますが、実は香りも変化しています。春~初夏にかけてどこか懐かしい気分になるのは、単に暖かくなったからだけでなく、香りも春の香りになっているからです。

つぼみが徐々に開き開花、梅の香りや沈丁花の香り。まだ、身を切る寒さの中香りは徐々に春の様相を見せて行きます。冷たい北風から暖かい南風へ変わったとき、南風が湿気とともに運んでくるのも春の香りです。

桜とともに春が過ぎ去り初夏を迎え、段々と暑さが増してくる頃、ハゴロモジャスミンの強い香りが香ってきます。真夏は春のふんわりした香り立ちではなく、モワッとしたまとわりつく様な潮風の香り。そして夕立後の土っぽい香りは子供の頃の雨宿りを想起させます。

夏の暑さが収まりちょっと切ない秋の夜、突然街中に広がる甘い金木犀の香り。幸せな気分はおよそ一週間。そして軒先からはエンゼルトランペットが夏の暑さの余韻を感じさせるよう情熱的に香ります。

落葉を踏みしめて歩く頃には街から徐々に香りが薄れ、凍てつく冬の日々へ。外へ出て感じるのは香りというより冷たいという感覚です。しばらくは香りのない日々を過ごします。

そして待ち望んだ春。一年ぶりの春の香りは、きっと香りのない日々を過ごした後だからより懐かしさを感じるのでしょう。

景色ほど意識が行きませんが、香りはしっかりと四季を演出し私たちを楽しませています。