• ホーム
  • ステラ・ラボラトリーと香り
  • 香りの植物図鑑
  • 香りの教室
  • 香りのブログ
  • お問い合わせ

香りのエッセイ

■第十一話 麝香とホワイトムスク

第十一話 麝香とホワイトムスク

麝香とホワイトムスクとはapplemuskpicture

 

 

 

今回のエッセイは香水には欠かせない香り「ムスク」についてです。

 

 

 

雄のジャコウジカから採られる天然のムスクは麝香と呼ばれ昔は多くの香水に使用されていましたが、動物愛護の観点から今ではすべて合成のムスクに置き換えられています。(かの有名な香水にも天然ムスクは使用されていないそうです)

 

 

 

昔は香水を使うのは王侯貴族や資産階級のみだったので、ポンパドゥール夫人が大量に使おうと、現在の全世界に広まり一般化した量には及びません。仮にジャコウジカを苦しめずに採取出来たとしても需要には追い付かないでしょう。

 

 

 

合成ムスクはもともと外観が白色~淡黄色の結晶のためホワイトムスクとも呼ばれています。合成ムスクよりホワイトムスクの方がマーケティング的にイメージも良いですしね。

 

 

 

天然のムスクである麝香、もしくは合成のムスクであるホワイトムスクそのものを嗅がれたことがある方はそんなにいないかと思いますが、ホワイトムスクは調合した香りに持続性と肌なじみの良さを与えるためにアロマ系や自然派を除くほとんどの香り製品に使用されています。

 

 

 

逆にムスクを使用しない天然香料のみで作った香りは肌につけた時、香りがなじまずに浮いた感じがします。

 

 

 

麝香とホワイトムスク その香りは

 

 

 

天然のムスクこと麝香はあまり嗅ぐ機会がないのですが、香料にする前の毛がフサフサしたものと、チンキにした香料を嗅いだ事があります。

 

 

 

麝香(ムスクチンキ)は、初め含窒素化合物Muscopyridineによるタイヤのような、燻したような匂いが感じられ、次第にツンとした軽めの乾いた刺激臭と、Musconeの温かみのある香りへと変化していく印象でした。

 

 

 

一方ホワイトムスクは複数の種類があるので、それぞれ香りは異なるのですが、全体的な傾向として麝香のようなMuscopyridineによるタイヤような香りはなく、ふんわりとした甘さが漂う心地よい印象です。その甘さの出方がちょっと粗かったり、なめらかだったり、パウダリーだったり、しっとりしていたり、フェミニンだったり、フルーティだったりと色々です。

 

 

 

天然のムスクはムスクそのものの香りを心地よく思うというより、他の香料と調合した時に香りを持ち上げたり活き活きさせるような裏方的な役割を果たしていましたが、ホワイトムスクはそれそのものの心地よさから、ムスクの香りを押し出した香調が多く見られます。